結晶デバイス・システム(KD*P, LiNbO3, BBO ポッケルスセル)
電気光学的ポッケルスセルは、光ビームの偏光方向を素早くスイッチングします。ポッケルス効果は適切な電場において屈折率の大きな直線的変化をもたらす電子効果であるため、音響光学素子よりもはるかに速い応答が得られます。 InradOptics社のポッケルスセルは、位相変調に用いることも可能ですが、位相変調用に設計されたデバイスほど高効率は得られません。電場のない状態でビームが複屈折をおこさないようにするため、ビームは単一結晶の光学軸にそって伝播します。
調整にはジンバルマウントが便利です。またお客様のご指定の仕様でも製造いたします。
KD*P は、UV ? 1.1μm のアプリケーションでよく使用されます。1.1μm 付近では吸収があるため、アクティブキャビティーにおける使用が制限されます。しかし数 % 程度の吸収で問題ない場合には、さらに長波長でもお使いいただけます。
■LiNbO3製 ポッケルスセル LiNbO3は、1064 nm 以上の長波長で用いられます。光の伝播方向に対して直角に設定された電場をもつポッケルスセルは、結晶の厚さや長さを選択することで 1064 nm において KD*P よりも低電圧で駆動できます。LiNbO3は半波電圧が非常に高くはなりますが、4.0μm 以上の赤外光に最適です。InradOptics社では、ピエゾエレクトリック・リンギングを劇的に少なくし、より高い繰返し周波数で使用できるダンプ LiNbO3ポッケルスセルをご用意しております。
BBO は、UV ~ 約 2μm の波長領域向きです。KD*P や LiNbO3?よりも電気光学係数は小さくなっていますが、高い平均出力で使用できます。そのため BBO は一般的に高電圧が必要とされます。電圧条件を低く抑えるため、結晶長さはより長く、薄く(開口サイズは小さくなります)しています。