ピコ秒パルス半導体レーザー OPG-1000PL
本装置は半導体レーザーダイオード(LD)を内蔵したヘッドと、当該ヘッド駆動用の電源供給・コントローラーにより 構成され、迅速で安定的な半導体レーザーダイオード光源を実現します。
LDパッケージ内蔵フォトダイオードによるAPC制御(光出力一定モード)、フォトダイオード無しの場合の 外部APC制御(外部のフォトダイオード等)、ACC制御(駆動電流一定モード)に対応しています。
ペルティエ素子によるLD温度制御機能を標準で内蔵しています。
温度設定範囲は+15.0~+28.0℃(0.1℃ステップ)、LDの現在温度の表示ができます。
最大200MHzの外部パルス変調のほか、10KHz~1GHzの外部アナログ変調が可能です。
本装置はGPIBインターフェイスを標準で備えており、外部からの制御が可能です。
また、オプションでLAN、RS-232C、USBも接続が可能です。
外部のスイッチによる、LD強制OFF(インターロック)機能を有しています。
LD の保護機能として、駆動電流制限、光出力が定格を越えたとき、ただちにシャットダウンする機能、 光出力を変化させたときに、オーバーシュートが生じないように急激な変化を抑えるスロープ制御、 温度制御の過渡期でLD温度が設定範囲を外れているとき、LDをOFFする機能を組み込んでいます。
【製品仕様】
- ピコ秒パルス:40ps~80ps,typ.
- 多彩な波長:375,405,639,655,780,850nm
- 外部 アナログ変調・デジタル変調 可能
- 2波長を同時に駆動可能
- 高いコストパフォーマンス
- ファイバー出力対応可 (オプション)
- LAN、RS-232C、USBも接続可 (オプション)
Rf変調周波数 | 10kHz~1GHz |
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変調入力インピーダンス | 50Ω |
最大RF変調入力レベル | 0dBm(0.632Vp-p 正弦波) |
パルス変調周波数 | 最大200MHz(入力パルス幅は2ns以上必要) |
パルス変調入力レベル | ヘッドの種類に依存(出荷時TTL,ECL,PECLのいずれかに設定) 最大入力±10V |
パルストリガ | 正極性、Rising Edge |
光出力範囲 | ヘッドの種類に依存 |
パルス駆動時のパルス幅 | 入力パルス幅に依らず一定(100ps以下) |
動作周囲温度 | +10~+40℃ |
保存周囲温度 | -10~+50℃ |
動作・保存周囲湿度 | 70%以下(結露しないこと) |
電源 | AC 100/230V 50/60Hz |
消費電力 | 50VA 最大 |
外形寸法 | 本体 210(W)x350(D)x105(H)mm ヘッド 105(W)x103(D)x60.5(H)mm |
重量 | 本体 3.1kg ヘッド 0.63kg |
付属品 | ACケーブル(3P、2m、1本) 2P-3P変換プラグ(1個) ヘッド接続ケーブル(3m、1本/各ヘッド) インターロック端子ターミネーター(1個) |
※ 仕様等は予告なく変更する場合があります。カスタマイズにも対応できます。
型番 | 波長 (nm) |
波長公差 (nm) |
スペクトル 半値幅(nm) |
ピーク出力 (mW)typ. |
出力安定度 (%/℃) |
パルス幅 (ps) |
|
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max. | typ. | ||||||
OPG-1000PL-375 | 375 | <±10 | <10 | 300 | <1.5 | 70 | 50 |
OPG-1000PL-405 | 405 | <±10 | <10 | 400 | <1.5 | 70 | 50 |
OPG-1000PL-639 | 639 | <±10 | <5 | 300 | <1 | 80 | 60 |
OPG-1000PL-655 | 655 | <±10 | <5 | 70 | <1 | 80 | 50 |
OPG-1000PL-780 | 780 | <±10 | <5 | 200 | <1 | 80 | 60 |
OPG-1000PL-850 | 850 | <±10 | <10 | 300 | <1 | 60 | 40 |
アプリケーション:
◆ 時間分解蛍光スペクトル測定
◆ 生化学分析
◆ 光電子デバイスの時間応答特性評価
◆ 光トモグラフィ
◆ 半導体フォトルミネセンス測定
◆ ファイバー性能評価
■ 応用例1 蛍光寿命測定
蛍光寿命測定は基礎物理学や生命科学の分野で広く利用されている解析技術です。 図のようにレーザーパルスを測定対象に照射し、蛍光の寿命を光子レベルで計数します。 これらの測定に使用するためのレーザーパルスは、安定した光出力と非常に小さなパルス幅が必要となります。 OPG-1000PLは温度補償を含め、安定的な80ps以下のパルスを発生することで測定精度向上に貢献します。?
■ 応用例2 ファイバー性能評価
100ps以下のパルスは単純計算で3GHzの帯域幅を有することになり、 各種の高速光ディテクターの応答試験に用いることができるほか、 光ファイバー等の信号伝送線路の帯域幅評価にも用いることができます。 下図にインパルス応答のフーリエ変換から、1mmφプラスチックファイバー50mの 伝送帯域を測定した例を示します。光ディテクターには1.5mmφのSiPINを用い、 光ファイバーの出射光の全モードを受光しています。ディテクター出力の増幅には帯域幅20kHz?1GHz、 ゲイン30dBのアンプを用い、出力を500MHz帯域のデジタルオシロで観測しました。 ファイバ50mで得られた波形のフーリエ変換と1mで得られたもののパワー比を 取ることで光ファイバーの帯域特性が求められます。この例では50mで240MHzの帯域幅となりました。?